IBJ成婚白書を読むと、婚活の現実がかなりはっきり見えてきます。年齢、活動期間、申込み数、お見合い数、成婚者の傾向。数字は冷たく見えますが、正しく読めば、人を追い詰めるための材料ではなく、婚活の進め方を整えるための地図になります。
問題は、白書の数字をそのまま「だからあなたもこうすべき」と使ってしまうことです。平均値や中央値は参考になりますが、個人の背景までは語りません。札幌で活動する人、再婚の人、子どもがいる人、死別経験のある人、仕事が忙しい人。それぞれに数字の意味は変わります。
2025年版の成婚データを読む前に確認したいこと
誰の、いつのデータなのか
IBJ結婚みらい研究所の2025年版解説は、2025年1月1日〜12月31日にIBJ結婚相談所ネットワークで成婚した19,112名の活動データを対象としています。日本の独身者全体や、当店だけの実績を示した数字ではありません。
「成婚」と「入籍」を分けて読む
同資料では、成婚を結婚の意思を固めた婚約の状態として説明しています。入籍件数の統計と比べる時は、数えている段階が違うことを確認してください。
中央値は、自分の期限や必要回数ではない
初婚の代表的な成婚者像では、お見合い回数11回、交際日数124〜125日という中央値が紹介されています。これは成婚した方の分布をまとめたものです。11回会えば成婚できる、同じ日数までに決めなければならない、という意味ではありません。
相談では、数字を次の確認事項に置き換える
お見合いが組めていないなら写真や申し込み先を、会えているのに続かないなら会話と振り返りを相談します。子どもがいる再婚では、生活や家族の理解を整える時間も必要です。全国の集計を目安にしながら、自分の事情に合う進め方を考えましょう。
出典:IBJ結婚みらい研究所「データが導く『結婚できる人』の平均像と、加速する20代婚活のリアル」(2026年4月9日公開)
成婚白書は、成功法則ではなく市場の観測である
成婚白書の価値は、婚活を感覚論だけで語らないところにあります。どの年代がどのくらい活動し、どのように出会い、どの程度の期間で決断しているのか。相談所で活動する人にとって、これは重要な参考情報です。
ただし、白書は魔法の答えではありません。成婚した人の傾向は分かっても、成婚しなかった人の心の動きまでは十分に見えません。数字は「こうすれば必ず結婚できる」とは言いません。むしろ「どこで差がつきやすいか」を考えるための材料です。
たとえば、成婚者の活動期間が短いという数字を見た時、「早く決めなければ」と読む人がいます。しかし本当に見るべきなのは、早く決めた背景です。希望条件が整理されていたのか、会った後の判断が明確だったのか、相談員との振り返りが機能していたのか。数字の裏にある行動まで見なければ、白書はただの焦りの材料になります。
年齢の数字は、価値ではなく時間軸を示している
婚活データで最も強く見られるのは年齢です。特に女性は年齢の話をされると、自分の価値を測られているように感じやすい。けれど本来、年齢データが示しているのは価値ではなく時間軸です。出産、健康、親のこと、仕事の責任、生活の固定化。年齢が上がるほど、結婚に関わる要素が増えます。
男性にとっても同じです。年齢が上がれば、仕事や親、住まい、価値観が固まりやすくなります。若い頃より柔軟に相手へ合わせることが難しくなる。だから婚活では、年齢を責めるのではなく、年齢によって増えた現実をどう扱うかが重要になります。
白書の年齢データを見る時は、自分を落ち込ませる必要はありません。ただ、今の年齢だからこそ、何を先に決めるべきかを考える必要があります。会う人数を増やすのか、条件を翻訳するのか、交際中の判断を早めるのか。年齢は、その順番を考えるための情報です。
特に札幌で活動する場合、年齢は市場の見え方にも影響します。都市部ほど母数が多くない一方で、生活圏が近く、地域や家族との距離が交際に入り込みやすい。だから年齢データを読む時も、全国平均だけでなく、自分が実際に会える範囲と組み合わせて考える必要があります。
申込み数やお見合い数は、努力量だけでは読めない
成婚白書では、申込み数やお見合い数も注目されます。たくさん申し込む人が有利に見えることもあります。実際、婚活では一定の活動量が必要です。待っているだけでは出会いは増えません。
しかし、申込み数だけを増やしても、相手選びの軸がずれていれば疲れます。条件に合う人へ機械的に申し込むだけでは、会ってから温度差が出やすい。反対に、慎重になりすぎてほとんど申し込まない人は、判断材料が増えません。
申込みが通らない時も、すぐに自分を否定する必要はありません。相手にも希望条件があり、タイミングがあり、活動の温度があります。大切なのは、通らない結果を感情で受け止めて終わるのではなく、写真、文章、年齢幅、地域、婚歴への伝え方など、変えられる部分を確認することです。
短期成婚を美化しすぎない
成婚までの期間が短い人を見ると、うらやましく感じるかもしれません。けれど短期成婚は、早く決めたから偉いという話ではありません。準備が整っていた人、条件の優先順位が明確だった人、交際中に話し合う力があった人が、結果として早く決められた可能性があります。
逆に、活動が長い人が悪いわけでもありません。背景が複雑な人、再婚、子ども、死別、親の介護、仕事の繁忙などがある人は、関係を育てるのに時間がかかることがあります。大切なのは、長引いている理由が分かっているかどうかです。
婚活で危ないのは、長く続けることそのものではなく、同じ失敗を理由も分からず繰り返すことです。白書は、活動期間の長短を競うためではなく、自分の活動がどこで止まっているのかを見るために使うべきです。
短期成婚の数字に憧れる人ほど、交際中の確認を急ぎすぎることがあります。真剣交際へ進む前に、住む場所、仕事、家族、金銭感覚、子どもへの考えを話せているか。早く進むことと、必要な話を飛ばすことは違います。白書を読む時は、速度だけでなく、決断に必要な材料が揃っていたかを見る視点が欠かせません。
データを、自分に合う相談所選びへつなげる
成婚白書を読む意味は、数字に一喜一憂することではありません。自分に必要な支援を見極めることです。申込みの戦略が必要なのか、プロフィール写真の改善が必要なのか、交際中の不安を整理する伴走が必要なのか。数字を見れば、課題の場所が少しずつ見えてきます。
IBJ成婚白書は、婚活の現実を知るための良い資料です。しかし、数字は最後の答えではありません。数字を読み、そこから自分の活動をどう変えるか。そこに、相談所とカウンセラーの仕事があります。
一人で読むと痛く感じる数字も、相談の中で読めば使える情報になります。自分の年齢、自分の希望、自分の生活背景に引き寄せて読み替える。そこまでして初めて、データは人を焦らせるものではなく、婚活を前に進める道具になります。数字を味方にできるかどうかで、活動の質は大きく変わります。ここが読み方の分岐点なのです。冷静な読み方が、次の一手を変えます。
この記事を書いた人

茂野 健(Kenny.S)
Re:Start Sapporo 婚活カウンセラー
自身の25年にわたる結婚生活と婚活・再婚経験を生かし、プロフィールづくりから交際中の課題整理まで伴走します。東京都出身、札幌在住。全国から北海道までの婚活事情と相談現場の知見をもとに、本記事を執筆・監修しています。
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