「好きだけでは生活できない。でも、お金だけで結婚相手を選んでいいのだろうか」。婚活で年収条件を眺めていると、そんな迷いが出てくることがあります。
お金は暮らしの安心を支えます。ただ、収入の高さだけで、大切にされる実感や二人の親密さまで決まるわけではありません。結婚で考えたいのは「愛か、お金か」の二択よりも、必要な生活費を確保しながら、気持ちも通い合う暮らしをどう作るかです。
この記事では、米国成人約16,000人のデータを分析した研究を手がかりに、お金・愛・結婚の幸せを考えます。後半には、札幌での生活を想像しながら使える、交際中の質問例もまとめました。
お金で愛は買えるのか
高価な食事をごちそうしてもらった日より、疲れた日に「今日は無理しなくていいよ」と言ってもらった日の方が、心に残ることがあります。一方で、毎月の支払いが苦しければ、優しい言葉だけで不安を消すこともできません。
愛情と経済力は、どちらか一つを選べば済むものではありません。年収や仕事の安定性を確認するのは、二人の生活を大切に考えているからこそです。そのうえで、「この人は何にお金を使い、私との暮らしをどう考えているか」まで知っていくことが、結婚後の安心につながります。
高収入の相手でも、家計の話を一切させてくれなければ、自由に使えるお金や生活の見通しは分かりません。反対に、収入が希望より少し低くても、支出や働き方を一緒に考えられるなら、具体的な暮らしの形が見えてくる場合があります。

16,000人の調査が示した結婚と幸せ
参考にしたのは、経済学者David G. BlanchflowerとAndrew J. Oswaldが2004年に発表した「Money, Sex, and Happiness: An Empirical Study」です。米国成人約16,000人のデータから、収入、性的活動、結婚状態、本人が回答した幸福度などの関係を調べています。
性的活動と、本人が回答した幸福度にはプラスの関連が見られました。
収入が高いことが、性的活動の多さや性的パートナー数の多さにつながるという結果ではありませんでした。
過去1年間の性的パートナー数について、分析上、幸福度が最も高くなる人数は1人と推計されました。
ここで興味深いのは、「お金が増えれば、親しい関係も自動的に充実する」という単純な図式にはならなかったことです。
ただし、これは2004年に公表された米国のデータ分析であり、愛情そのものを測った研究ではありません。また、関連があることと、原因であることは別です。「結婚すれば必ず幸せ」「回数を増やせば幸せになれる」という意味ではなく、収入だけでは捉えられない関係の側面を考えるヒントとして読むのが適切です。
出典:Blanchflower & Oswald(2004)Money, Sex, and Happiness: An Empirical Study/NBER Working Paper 10499
年収が高ければ愛情や親密さも手に入るのか
婚活のプロフィールでは、年収や職業は目に留まりやすい項目です。でも、「話を最後まで聞いてくれる」「断っても不機嫌にならない」「困ったときに一緒に考えてくれる」といった安心は、実際に関わる中で確かめていくものです。
たとえば、少し予算の高いレストランを提案されたとき。「うれしいけれど、普段はもう少し気軽なお店でもいいな」と伝えてみる。そこで希望を受け止めてもらえるかは、金額とは別の大事な確認になります。
夫婦の親密さやスキンシップも、結婚生活を考えるうえで大切なテーマです。愛情表現、触れ合いの好み、一人で過ごす時間、体調によって、心地よい距離は違います。相手に合わせ続けることではなく、お互いの希望や「今は難しい」を尊重できることが土台になります。
婚活の初期から踏み込んだ質問をする必要はありません。関係が深まる中で、「どんなときに大切にされていると感じる?」「疲れた日はどう過ごしたい?」と、話せる範囲から確かめてみてください。
パートナーは多いほど幸せなのか
先ほどの研究に登場する「1人」は、過去1年間の性的パートナー数の分析です。お見合いの人数や、仮交際で何人と会うべきかを決める数字ではありません。
そのうえで婚活の進め方を考えると、出会いの数を増やす時期と、一人のお相手を深く知る時期には、それぞれの意味があります。申し込みやマッチングが増えても、「もっと条件の良い人がいるかも」と比較を続ければ、目の前の人との関係は深まりにくくなります。
「何人から選ばれたか」に加えて、「また会いたいと思えたか」「前回より自然に話せたか」「気になることを一つ確認できたか」にも目を向けてみてください。結婚相手を決める材料は、人数の多さだけでは集まりません。
札幌の婚活で見落としやすい生活条件
同じ年収でも、住む場所や働き方によって家計の余裕は変わります。札幌で結婚生活を考えるなら、家賃だけでなく、車・駐車場・冬の暖房費・通勤の負担まで含めて話すと、希望が具体的になります。
住まい:地下鉄沿線の便利さと、郊外の広さや静かさ。二人が優先したいのはどちらでしょうか。
移動:車を何台持つか、冬の通勤や送迎をどうするか。お金と時間の両方を考えます。
働き方:共働きを続けたいか、将来は仕事を減らしたいか。家事や育児の分担も一緒に話します。
将来:子ども、親の支援、自分たちの健康など、生活が変わったときにどう協力するかを考えます。
専業主婦・専業主夫を希望する場合も、「年収がいくらなら大丈夫」と一律には決められません。毎月の手取りから固定費、生活費、貯蓄、予備費を並べ、希望する暮らしが成り立つかを二人で確認することが出発点です。
「条件を下げる」のが目的ではありません。自分が守りたい暮らしに、どの条件が必要なのかをはっきりさせるための話し合いです。
お相手を見極める質問リスト|自然に話す5つの聞き方
いきなり貯金額や家計の負担割合を聞くと、相手が身構えることもあります。まずは日常の話から入り、結婚を具体的に考える段階で金額や分担へ進めていきましょう。自分の考えも添えると、質問だけのやり取りになりにくくなります。
お金の使い方:「普段は節約して、旅行には使いたい方なんです。大切にお金をかけたいものはありますか?」
住まい:「私は冬の通勤を考えると地下鉄の近くが安心です。結婚後はどんな場所で暮らしたいですか?」
働き方:「結婚してからも仕事は続けたいと思っています。家事の分担はどう考えていますか?」
二人の時間:「忙しい週でも少し話せるとうれしいです。疲れた日は一人で休みたい方ですか?」
意見が違ったとき:「すぐ結論を出すより、少し考えてから話したいこともあります。そういうときはどうしていますか?」
答えが自分と同じかどうかだけで判断しなくて大丈夫です。違いを伝えたときに、笑われたり、押し切られたりせず、お互いの理由を聞けるかを見てください。一度うまく話せなかっただけで決めつけず、落ち着いて話し直せるかも大事です。
結婚の意思が固まってきたら、収入・貯蓄・借入・毎月の負担など、生活に影響する事柄を具体的に共有していきます。切り出すタイミングに迷ったら、仲人へ相談してください。
年収条件で迷ったら、二人の暮らしを三つの場面で考える
普段の一か月を過ごせるか
家賃、食費、光熱費、交通費など、今の暮らしに必要な支出を出し合います。札幌なら冬の暖房や車の維持費も含めます。「年収が高いから安心」で終わらせず、手取りの中で何を大切にして暮らすかを話せることが大切です。
どちらかの収入が変わったときにどうするか
転職や働き方の変更などで収入が下がった場合、支出を減らすのか、働く時間を変えるのか、二人で相談できるかを考えます。最初から正解を決めるのではなく、「状況が変わっても一緒に考えたい」という姿勢が共有できるかを確かめましょう。
お金を使わない時間も心地よいか
近所を歩く、家で食事を作る、何も予定を入れず休む。そんな時間も楽しく過ごせそうかを思い浮かべます。生活を支えるお金と、一緒にいる安心感を別々に確認することで、条件への納得と気持ちの両方を整理できます。
無料相談では、年収の希望を否定するのではなく、その金額で実現したい暮らしを伺います。まだ相手がいない段階でも、ご自身が大切にしたい生活から整理できます。
条件が良いのに迷うときは、3つに分けて考える
「年収も職業も希望通りなのに、気持ちが進まない」。そんなときは、自分をわがままだと責める前に、次の3つをメモしてみてください。
生活の条件:住まい、働き方、家計など、具体的に合っている点と未確認の点。
一緒にいる実感:自然に話せた場面、うれしかったこと、無理をした場面。
次に聞きたいこと:まだ話していないことや、自分の想像だけで不安になっていること。
「返信が少ないから大切にされていない」と感じたとしても、仕事中の連絡の取り方をまだ聞いていないのかもしれません。反対に、不安を伝えても繰り返し軽く扱われるなら、その反応は見過ごしたくない判断材料です。
Re:Start Sapporoでは、お見合いや交際後の出来事を一緒に振り返り、何を確認すると判断しやすくなるかを整理します。お互いの仲人を通じて気持ちを確認できる場面もあり、一人で相手の本音を推測し続ける負担を減らせます。
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この記事を書いた人

茂野 健(Kenny.S)
Re:Start Sapporo 婚活設計カウンセラー
自身の25年にわたる結婚生活と婚活・再婚経験を生かし、プロフィールづくりから交際中の課題整理まで伴走します。東京都出身、札幌在住。全国から北海道までの婚活事情と相談現場の知見をもとに、本記事を執筆・監修しています。







